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日本人が中国で仕事できない理由=まじめすぎが原因

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広告、パンフ、映画、アニメ製作、ホームページの関して、どの業種、仕事でも言えますが・・・

日本と中国に違いをまとめました

これは、中国企業が日本進出するときでも似ています。

日系企業のニーズが「キレイに、正確に、計画通りに」であるのに対して、中国ローカル企業のニーズは、「早く、現物以上に見えるものを派手に」です。

TVのコマーシャルにもその違いがハッキリと出ています。

例えば分譲住宅の広告、パンフ、アニメーションを制作する場合、日系企業は重厚感のあるアニメーションを好みますが、中国ローカル企業は(極端に言うと)ハリウッド映画のようなアニメーションを好みます。

また日系企業は、「魂は細部に宿る」ということわざに代表されるように、細かい部分に拘ります。

制作物の完成度を90%→100%に上げる部分に、全体の作業時間の80%を使って制作するイメージです。

その代わり、日系企業は発注者自身が「何を作って欲しいか」を分かっているケースが多く、細かく要件を指示してくれるので、それを聞いて絵に落とすだけで要件を満たすことができます。

反対に中国ローカル企業の場合、発注時には発注者自身もざっくりとしか要件を分かっていないケースがほとんどです。

さらに「誰が責任者(意思決定者)か」が分かりづらいのも中国ローカル企業の特徴です。

発注段階では要件がはっきりしないため、こちらとしては途中まで制作を進め、発注企業の担当者に内容を確認してもらおうとするのですが、誰も確認したがりません。

特に発注者が政府系機関、国営企業の場合には、官僚主義が蔓延しているため、それが顕著になります。

発注企業の担当者が意思決定をしない、確認をしない理由は、担当者自身が後で責任を取りたくないのはもちろんだと思いますが、そもそも確認できる能力のある人が発注企業内に存在しないことにもあると思います。

――発注企業が誰も確認しないまま、最後までいくのですか?

制作物ができあがりに近づき、発注企業の担当者もイメージがつかめてくると、今度はどんどん要望を追加して来ます。

これは最終版を提出したあとも続きます。

我々の成果物のフォルダーには「最終版」の他に「最終版2」、「最終版3」などのファイルが存在するのが当たり前になっています。

また仮に、途中で担当者が内容にOKをくれていたとしても、発注企業のトップが最終確認で気に入らなければ、全部やり直しというケースもあります。

――それはひどいですね。何かそれを防ぐ方法はないのでしょうか?

もちろん契約書は、仕様変更があまり発生しないように(発生しても追加料金を払ってもらえるように)厳しく作るとか、企画書の段階でできるだけ最終形に近いものを相手に見せて後々の変更を少なくする努力などを我々もやりますが、
中国ローカル企業はこちらの都合では動いてくれない場合も多いため、ある程度は発注企業に合わせて、こちらも柔軟に対応するしかありません。

ここは日本人には理解し難いところかもしれませんが、中国ローカル企業にとってみれば、彼らの振る舞いこそが当たり前のやり方なのです。

「ここで我慢できるかどうか」が、日系企業が中国ローカル企業とのビジネスを増やせるかどうかの境目になると思います。

日系企業は、とにかく計画好きで、計画しながら物事を進めて行くのに対して、中国ローカル企業はその時の「ノリ」で決める。極端に言うと、そんなイメージかもしれません。

例えば、「この日に発注企業の偉い人が来て最終確認をする」と決まっている場合、こちらはその日から逆算して、確実にそれに間に合わせようと作業計画を組みます。

そして発注企業の担当者にもその作業計画通りに動いてもらおうとするのですが、通常はなかなかうまくいきません。

発注企業の会社紹介のコンテンツを制作するプロジェクトで、発注企業の担当者に「コンテンツを作るために会社紹介の情報をください」と当たり前のことを言っても、担当者からはいっこうにそれが出てこなかったりするのです。

担当者のなかには、「(自分の)上司から強くやれと言われない限り、できるだけ仕事をやりたくない(=さぼりたい、楽をしたい)」という考えの人がいたり、「私は能力的にムリなんだから、そんなこと頼まないでよ」と心で思いながらも面子があるので、そう正直には言ってくれない人もいるのだと思います。

また納期も、日本であれば「5月31日まで」のように日付で決まると思いますが、中国の場合は「6月か7月」のように曖昧に決まっているケースも多いのです。

そのような状況であるため、例えば中国ローカル企業向けの展示会コンテンツ制作の仕事の場合、固定スペースの展示物をやるよりも、開催日が決まっている展示会の方がやりやすいのです。

開催日が決まっていると、「そこまでにやらなければならない」と発注者である中国ローカル企業側も認識してくれるからです。

反対に発注企業社内の固定スペースの展示物などになると、場合によってはいくらでも期日を発注企業側が変更できるので、いつまで経っても作業が終わらないからです。

逆に、中国ローカル企業は自分自身が計画にルーズな分、こちらの都合で計画を遅らせることについても、融通を効かせてくれる場合も少なくありません。とにかく計画通りを求めてくる日系企業とは対照的です。

中国ローカル企業を相手に商売をするのであれば、このような中国ローカル企業の対応に、我慢しながら合わせる力、我慢するための体力(資金力)が必要となります。

「日本のやり方の方が正しい」と考えて、中国でも日本流を貫き通してもいいのですが、中国ローカル企業は日本流の作業の進め方にプレッシャー感じて取引してくれないでしょう。

中国ローカル企業と商売をする場合には、駆け引きも凄そうですね。

その通りです。中国ローカル企業とビジネスをする場合には、チキンレースに勝つつもりで臨まなければダメです。

例えば、2010年の上海万博の話をしましょう。
上海万博は開園が5月1日と決まっていたのですが、4月時点の準備状況を見ると、誰もが5月1日の開園は絶対不可能だと感じる状況でした。

開園1ヵ月前の時点でこのような状況になっていた原因の1つが、「工事が終わらないとお金を払わない」とか「お金を先に払わないと設備は入れない」などの、業者間の最後の駆け引きがあったからです。

5月1日開園のデットラインをめがけて、誰が先に白旗を上げるかのチキンレースが行われていたからです。


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